赤ワインの大きな特徴は何といっても、その色、これを出すのは葡萄の皮だ。だから必然的に色の赤い葡萄を使うことになる。赤いといっても様々で青みがかったもの、黒っぽいものなどがある。ただし、例外的に白い葡萄を混ぜて作ることもあるので、赤ワインは色のついた葡萄のみで作るというわけではない。混ぜる場合もあるのだ。
さてこの葡萄、収穫は房ごと行う。実だけをとっていたのでは到底間に合わない。ここから先は以下のとおり。
1.葡萄は洗わず房のまま機械に投入する。まず房を軸と実に分ける。次に圧搾する。種をつぶさない程度にローラーで圧搾してぶどうジュースを取る。はずした軸は捨て、ジュース、皮、種はまとめて発酵槽に移される。
2.葡萄の皮には酵母以外にも雑菌など不要なものが付着しているので、いったん亜硫酸ガスを添加して雑菌を除く。そして新たに上質の酵母を加えて発酵させる。発酵時には熱が発生し、その熱によって発酵が弱くならないようによくかき混ぜる。この発酵時間の加減で色の薄い軽いものから色の濃いタンニンのしっかりしたワインまで作り出すことができる。
3.次に不純物である澱を取り除く。この澱は時間の経過とともに下に沈むので、上澄みだけをすくって別の容器に移す。これをそのまま瓶詰めすることもあるが、高級ワインの場合はさらに木樽に移し、熟成させる。この段階でさらに香りや風味がプラスされ、複雑なワインになる。
大まかだがこのようにして赤ワインは作られる。ワインは自然の産物だが、高級ワインの醸造者はその質を維持するために心血を注いでワインを造っている。それはまるで愛おしいわが子のようである。