2005年06月10日

オーギュスト・エスコフィエ

およそこの名前を聞いたことのないフランス料理人はいないだろう。この近代フランス料理の巨匠として知られるエスコフィエは、1846年10月28日、ニースの小さな村ヴィルヌーヴ・ルベで生を受ける。その生涯は1935年に幕を閉じるまで、フランス料理に貢献した人生であった。

彼の料理人としてのキャリアはとても華やかなものだが、その最大の要因となったのは、ホテル王セザール・リッツとの出会いであった。このコンビはまずロンドンのサヴォイホテルの再建にその手腕を発揮し、続いてローマのグランドホテル、パリのリッツ、ロンドンのカールトンを開業させる。そのどれもが今だに一流の名をとどめているのは、彼らの経営能力の高さによるところであろう。

このエスコフィエの料理の考え方は従来の調理法を単純化、簡略化し、そこから新しい料理を開発していくというものであった。料理の本質を見極め、本当に大切なものだけを取り出して料理を構築していったのである。

『ル・ギッド・キュリネール』という料理書がある。これはエスコフィエがフィレアス・ジルベール、エミール・フェテュの協力を得て、1902年に出版した本だが、その内容は今だ輝きを失わず、料理人のバイブルといわれているものだ。この中で彼は料理を体系化し、その組み合わせによって多彩な料理を生み出している。

さらに料理人の地位向上やその環境の改善などにも積極的に関わり、料理人としてのフィールドを越えて活躍したことも忘れてはならない彼の功績である。


posted by エリゼ宮 at 04:01| Comment(1) | TrackBack(0) | スーパーシェフ名鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も、フランス料理が好きで、良くレストランに、食事に行きました。私の、お気に入りのレストランは、レストランひらまつです。
フランスでは、今は2星ですが、レストランピラミッド、アランシャペルが、最高でした。でも、
現在は、料理内容もだいぶ変わってきています。
これからも、日本のフランス料理を、応援します。
Posted by 小玉哲也 at 2006年05月04日 13:04
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