
塩は料理にとって不可欠な素材だ。あまりに身近な存在のため、無意識に使用している場合もあるが、その使い方いかんでは料理の出来上がりを大きく左右する。
フランス料理の多くのシェフが使うのはブルターニュのゲランドの塩である。ここでの製塩の歴史は非常に古く、千年の長きにわたって伝統的に作られてきた。海水を引き込んで自然乾燥させて作る方法には、その地理的条件が大きく関わる。遠浅で干満の差が大きいこの土地は塩を作るのに非常に適しているのだ。
簡単にこの塩田の仕組みのついて説明すると、まず大潮のときに海水を引き込み、塩のプールを作る。この海水を移動させながら水温を上げ、さらに塩分濃度を高めていく。そして最終的に仕上げ用の結晶池へと導かれ、ここで木の板(ルス)を使って手作業で掬い上げる。このとき一番上に結晶としてできる塩を『フルール・ド・セル』と呼び、大変貴重なものとして料理に使用されるのである。
フルール・ド・セルの特徴はなんと言ってもその独特の旨みにあるといえよう。塩味というと単純に塩の辛さだけを想像しがちだが、このフルール・ド・セルは味に丸みがあり、一言で言えば美味しいのだ。しかし、その繊細な風味ゆえ使い方には注意が必要だ。肉などにふりかけて、強火でジュッーなどとやってしまうとこの塩の風味が台無しになってしまう。焼きあがった肉の切断面にふりかけて余熱で塩に火を通すと、素材の旨みと一体となって非常に美味しい。あくまでも仕上げに使う塩だ。

フランス・ゲランドの塩(海の果実)幻の塩 125g

フルードゲランド(初摘み塩) 125g
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